教育に活用される医療現場のカンファレンス

医療現場では、研修によって人材教育をする機会がない場合もあり、いかにして全体的な成長を促していくかが大きな課題となっています。医療は中断することができないという性質があるため、入院患者もいる病院では研修のために一日休みにしてしまうことができないからです。そこで、病院の中には定期的にカンファレンスを開催し、教育の機会として活用しているところもあるようです。

カンファレンスは本来、医師や看護師などの医療スタッフが集まって、個々の患者のケースについて議論を交わして治療方針を決めるために行われているものです。その目的でのカンファレンスももちろん行われていますが、多くのスタッフが集まる数少ない機会なので有効活用して教育にも使おうという動きが生まれました。典型的なのが新人教育で、新人にプレゼンテーションをさせて議論をするという形式で行われるのが通例です。内容的には、自分が担当している患者や症例についての紹介をするのが基本になっています。新人にとっては過酷な現場となるかもしれませんが、成長するためには魅力的な機会です。医師や看護師だけでなく、薬剤師やソーシャルワーカーなども同席していることが多く、多様な方面からのアドバイスを受けられます。その場ではかなり辛いという印象を受ける人も少なくありませんが、視野を広げつつプレゼンテーション能力なども育めるでしょう。このような機会を設けることで若手を育てていき、医療水準の向上を目指しているのです。